週刊ファンダメンタルズ展望(9/21〜9/27):FRB・日銀の利上げ後、今週はSNBと米中首脳会談に注目

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主要8通貨(USD・EUR・GBP・JPY・CHF・AUD・CAD・NZD)について、各国の中央銀行・統計機関・CFTC(米商品先物取引委員会)が公表した情報をもとに、今週の材料を整理してみました。相場の方向を当てにいく記事ではなく、「いまどの材料が効いているのか」を並べて眺めるためのものですね。数値は2026年9月22日朝(日本時間)に確認したものになります。

① 先週までの振り返り

先週は、主要中銀の決定が立て続けに出た週でした。まずFRBが9/16に2023年以来となる利上げ(3.75〜4.00%)を決めています。しかも12対0の全会一致で、ドット・チャートでも年内の追加利上げが示唆されましたから、ドル指数は週間で1%超上げて100台を回復しました。

日銀も9/18に政策金利を1.25%へ引き上げ、31年ぶりの水準になりました。ただ2人の委員が反対したこともあって、「追加利上げのペースはゆっくりかもしれない」という見方が広がっています。ドル円はいったん158円近くまで円安に振れたあと、日銀のレートチェックが報じられて156円台へ押し戻されました。なかなか荒い値動きでしたね。

BOEは9/17に3.75%で据え置き。とはいえ3人が利上げを主張していますから、中身はややタカ派寄りと考えられます。原油のほうは、サウジアラビアの供給回復と米イラン外交への期待から、ブレントが週半ばの108ドル台から9/21には100ドル近辺まで下がりました。

こうした動きを受けて、当サイトの通貨別まとめでも優勢の判定を2つ入れ替えています。ユーロは「売られる」から「買われる」へ(ECBが6月・9月と利上げして預金金利は2.50%)、NZドルは「買われる」から「売られる」へ(対ドルで週間およそ2%の下落、RBNZは10月の据え置きを示唆)という形ですね。

② 今週の注目カレンダー(9/22〜9/27)

時刻はいずれも日本時間で書いています。

日程イベント注目点
9/22(火)〜23(水)日本は祝日で東京市場は休場薄商いのなか、財務省・日銀の円安けん制や介入の有無
9/22(火)12:00RBAブロック総裁の対談(シドニー)9/29会合の利上げ観測を後押しするか
9/22(火)夜国連総会の一般討論(トランプ大統領が演説)、日米首脳会談(報道)中東・イラン情勢や為替への言及の有無
9/22(火)〜25(金)FRB・ECB・BOE要人の講演が多数FRBの10月追加利上げ観測(CME FedWatchで約55%)が強まるか
9/23(水)16:15〜17:30ユーロ圏・英国の9月PMI速報利上げ局面でも景気の底堅さが続いているか
9/23(水)22:45米国の9月PMI速報需要の強さとインフレ圧力
9/23(水)夜国連総会でイランのペゼシュキアン大統領が演説予定(報道)米イランの接触、ホルムズ海峡の再開に道筋がつくか
9/24(木)10:30豪州の8月雇用統計失業率(7月4.5%)とRBAの利上げ観測
9/24(木)16:30SNBの金融政策評価(会見は17:00)0%据え置きが予想されるなか、介入姿勢や利上げへの言及
9/24(木)17:30ドイツの9月Ifo景況感指数ユーロ圏の景気の足元
9/24(木)21:30米新規失業保険申請件数、カナダ7月小売売上高米労働市場の強さ、カナダの内需
9/24(木)夜米中首脳会談(ホワイトハウス)11/10期限の関税休戦の延長、レアアース
9/25(金)21:30米8月耐久財受注設備投資の勢い
9/25(金)23:00ミシガン大消費者態度指数(9月確報)期待インフレ率
9/26(土)4:30CFTC建玉報告(9/22時点のデータ)円・NZドルの買い越しが解消に向かうか

来週の前半も、こんな日程が続きます。

  • 9/29(火)13:30:RBAの政策決定(4.35%から4.60%への利上げが予想されています)
  • 9/30(水):豪8月月次CPI(10:30)、財務省の為替介入実績(19:00)、米8月PCE(21:30)
  • 10/1(木)8:50:日銀短観(9月調査)
  • 10/2(金):ユーロ圏9月HICP速報(18:00)、米9月雇用統計(21:30)
  • 10/4(日):OPEC+会合

③ 通貨ペアごとの見通し

8通貨の材料は通貨ペア別 売られる要因・買われる要因にまとめてあり、平日はそちらを更新しています。この記事の表は、その9/21時点の写しですね。

8通貨の材料と優勢(9/21時点)

投機筋のポジションは、CFTCの9/15時点(9/18公表)のデータになります。9/16以降のFRB・日銀の決定はまだ反映されていませんので、そこは差し引いて見ておきたいですね。

通貨優勢主な買われる要因主な売られる要因投機筋(IMM)
USD買われるFRBが3年ぶりに利上げ、ドット・チャートで年内の追加利上げを示唆、CPI+3.4%トランプ大統領の利下げ要求、FRBの独立性を巡る懸念、原油の反落ドル指数の買い越しは8週で最小。偏りは小さい
EUR買われるECBが6月・9月に利上げ(預金金利2.50%)、HICP+3.2%エネルギーの輸入依存、仏の財政・政治リスク、ラガルド総裁の利上げ観測けん制小幅な売り越しで、縮小が続く
GBP買われるMPCで3人が利上げを主張、BOEはCPIが来年初めに4%超と予想ギルト利回り5%台・10/28予算を前にした財政不安、対ドルの金利優位の消滅売り越しで横ばい
JPY売られる日銀が1.25%へ利上げ、財務相が協調介入も辞さずと表明日米金利差、反対2票による利上げペース鈍化の観測、貿易赤字買い越しが約1年2か月ぶりの高水準。巻き戻しが進めば円安が加速するリスク
CHF売られる有事のフラン買い、8月CPI+0.8%でSNBの利上げ観測政策金利0%、SNBの介入姿勢、キャリートレードの調達通貨売り越し。ヘッジファンドなど(レバレッジド・ファンド)の売り越しは1年で最大
AUD買われる政策金利4.35%は8通貨で最も高い、9/29の利上げ観測、CPI+3.5%中国の内需減速、失業率4.5%売り越しだが過去数週の範囲内
CAD売られる原油高(直近は反落)、CPI+3.0%でBOCの利上げ観測も政策金利2.25%、米国の50%関税と対抗措置、8月雇用-4.2万人売り越しが6週連続で縮小(買い戻し)
NZD売られる7月・9月と連続利上げ(2.75%)、CPI+4.1%10月は据え置きを示唆、失業率5.6%、乳製品価格の下落買い越しが約2年ぶりの高水準。巻き戻しが進めばNZドル安のリスク

今週特に動きそうなペア

USD/JPY

FRBの利上げと、反対2票がついた日銀の利上げ。この組み合わせで日米金利差が意識されて、157円台でのドル優位が続いています。ただ158円近くでは9/18夜にレートチェックが報じられて急反落しましたから、財務省・日銀が実際に円買い介入へ動けば、流れは変わり得るでしょう。反対に、約1年2か月ぶりの高水準まで膨らんだ投機筋の円買い越しが巻き戻されると、円安のほうが加速することも考えられます。今週は東京市場が休場になる9/22〜23の薄商いと、9/22の日米首脳会談あたりが分かれ目になりそうですね。

USD/CHF

SNBの0%金利とFRBの利上げという組み合わせで、フランは8月末から対ドルでおよそ2%下げてきました。9/24のSNBで利上げ観測を後押しするような姿勢が示されれば、1年で最大に膨らんだヘッジファンドなどのフラン売り越しが巻き戻されて、フラン高に振れる可能性がありますね。逆に介入姿勢のほうが強調されれば、フラン安が続くとも考えられます。いずれにしても、9/24 16:30の声明と17:00の会見が今週いちばんの分かれ目でしょう。

AUD/NZD

RBAは4.35%で9/29の利上げ観測、RBNZは2.75%で10月は据え置きの示唆。この金利差が広がるという見方から豪ドル優位の構図になっていて、先週はおよそ1%上昇しました。NZドルの買い越しの巻き戻しも豪ドルを押し上げる方向に効きますが、9/24の豪雇用統計で失業率が上がれば利上げ観測は後退しますし、構図が変わることも考えられますね。今週の雇用統計から来週9/29のRBAへ、という流れを追っておきたいところ。

EUR/USD

ECBも利上げに転じましたが、いまのところはFRBのタカ派姿勢のほうが上回っていて、1.146前後でのドル優位が続いています。今週はFRB・ECB要人の講演が多いですし、9/23のPMI速報でユーロ圏の底堅さが確認されれば、ユーロが見直される余地も出てきそうですね。ただ、ドイツ州議会選挙での与党の大敗といった政治面は重荷と考えられます。来週の米PCE(9/30)、米雇用統計とユーロ圏HICP速報(10/2)が次の分かれ目になるでしょう。

まとめ

今週、政策を決める中銀はSNBだけ。とはいえ米中首脳会談や国連総会を通じた中東情勢、日本の連休中の円相場など、中銀以外の材料が多い週になりそうですね。来週はRBA(9/29)、米PCE(9/30)、米雇用統計(10/2)と重い日程が並びますから、今週の材料がその前提をどう動かすのかを見ておきたいところです。

主な出典

※この記事は公開情報を整理したもので、特定の通貨の売買を勧めるものではありません。最終的な投資判断はご自身でお願いします。

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