ScenarioPen のアラートで水平線タッチを見逃さない設定

ScenarioPen のアラートで水平線タッチを見逃さない設定 アイキャッチ画像 手法とツールの組み合わせ

水平線を引く目的は、突き詰めると「そこに来たら動く」、あるいは「そこで何か反応が出るのを見る」ことだと思います。裏を返せば、来たことに気づけなければ、引いた意味がありません。

ところが現実は、チャートを見ていない時間のほうが圧倒的に長い。私も本業があるので、平日の日中はほとんどチャートを開けません。夜に戻ってきて足を遡ってみたら、狙っていた水準できれいに反発していた——気づいたときには、もう次の展開に入っている。あの取りこぼしを何度もやりました。(昔は……まだ間に合うって考えて伸び切ったところで入り、逆行に巻き込まれたりしてました><)

今回は、その取りこぼしを埋めるための設定の話です。操作自体はキー1つで終わりますが、「見逃さない」を実現するのは操作ではなく設定のほうでした。ScenarioPen を2021年に集中開発してから5年間使い続けてきて、そこにたどり着いた経緯も含めて書きます(最新版 v1.07.9)。

設定はキー1つ:水平線を選んで A キー

やり方はシンプルです。

アラートを付けたい水平線をクリックして選択し、A キーを押す。もう一度押せば解除されます。

設定できたかどうかは、目で確認できます。アラートが有効な線には、チャート上に Alert の文字が表示されます。「付けたつもりで付いていなかった」を防げるので、まずはこの表示が出ているかを見る癖をつけておくと安心です。

水平線そのものの引き方(H キーで一発)は、別記事に書いています。

判定は既定で「ヒゲ込みのタッチ」

判定の仕方は2つあります。

  • Touch(既定):ローソク足の高値・安値でタッチを判定します。ヒゲが触れた時点で反応します
  • Cross:確定した足の終値がラインを超えたときに判定します

「その価格に触れた瞬間に知りたい」のであれば、既定の Touch のままで問題ありません。どちらを選ぶべきかという話は、それ自体で1本になるので別の回に譲ります。

もうひとつ、「1度きりの通知」が既定でオンになっています。同じ足の中で何度も鳴り続けることがないので、ここも最初は既定のままで困りません。

本題:通知が「どこに届くか」を決める

さて、ここからが本題です。

A キーを押した時点で、判定そのものは動き始めています。ただ、それだけだと PC の前にいるときしか気づけません。私が長いこと取りこぼしていた原因も、ここにありました。作った本人でありながら、プッシュ通知はオフのまま使っていたのです。

ScenarioPen の通知先は4つあり、既定の状態が種類ごとに違います。

通知の種類既定届く範囲
ポップアップ表示オンMT4 を開いている PC の前にいるときだけ
通知音オン同じ部屋にいれば、席を外していても届く
プッシュ通知オフスマホ。外出していても届く
Discord 通知オフ画像付きで送れる。複数チャートの集約向き

見ての通り、初期状態でオンになっているのは、PC の前にいる前提の2つだけです。

つまり「水平線タッチを見逃さない設定」の実体は、既定でオフになっているプッシュ通知をオンにすることでした。オンにすれば、MT4 のモバイルアプリに通知が飛びます。使うには、あらかじめモバイルアプリ側の ID を MT4 に登録しておく必要がありますが、これは最初の一度だけの作業です。

ここで大事なのは、「全部オンにするのが正解」ではないことだと思っています。

一日中モニターの前にいられるなら、ポップアップと音だけで十分です。むしろスマホまで鳴ると煩わしい。逆に私のように日中は別の仕事をしている人間にとっては、プッシュ通知を入れるかどうかで、この機能の価値がまるごと変わります。

自分がチャートを見ていない時間はどこにあるのか。そこに届く手段を選ぶ。 それが「見逃さない設定」の考え方です。なお Discord への通知は、画像付きで送れたり複数チャートの通知を1か所に集められたりと少し性格が違うので、これも別の回にまとめます。

鳴らないときに見る3つ

設定したのに鳴らない、というときは、だいたい次のどれかです。

① 線に Alert の文字が出ているか
出ていなければ、そもそもアラートが付いていません。線を選択できていない状態で A キーを押していることが多いです。

② ポップアップ・音・プッシュのどれかがオンになっているか
すべてオフだと、判定は動いていても知らせる手段がありません。当たり前のようですが、通知を絞り込む過程で全部落としてしまうことがあります。

③ その線の説明欄にメモを入れていないか
これが見落としがちで、知らないとまず気づけません。ScenarioPen はアラートのオン・オフを、そのオブジェクトの説明欄に文字列を書き込むことで管理しています。そのため、説明欄に自分でメモを書いていると、A キーでの切り替えが効きません。

アラートを使う線には、説明欄を使わないでおくのが安全です。あわせて、アラートをオフにすると説明欄は空で上書きされるので、メモを残していた場合は消えます。ここは仕様として知っておいてください。

複数の水平線を同時に見張るときの落とし穴

もうひとつ、条件つきの制限があります。

発火の抑止(同じ足の中で鳴り続けないようにする制御)は、線の種類ごとに1つを共有しています。そのため、近い位置に水平線を2本引いて両方にアラートを付けると、同じ足の中では1本目しか通知されません。

レンジの上限と下限のように離れていれば、同じ足で両方に触れること自体がまれなので、実務上ぶつかることはあまりありません。問題になるのは「同じ水準に念のため2本」のようなケースです。

両方を確実に監視したいときは、片方をトレンドラインにするなど種類を分けるか、時間軸をまたいで設定すると回避できます。

実戦での組み立て

私の流れはこうです。

上位足で意識されている水準に水平線を引き、同期で執行足にも降ろしておく。その線を選んで A キー。プッシュ通知をオンにしてあるので、あとは MT4 を閉じずに離席します。

そして、通知が来てからチャートを開く。順番が逆になるのがポイントです。

師匠から繰り返し言われてきたのは、未来を当てるのではなく、未来の分岐に備えるということでした。水平線は、その分岐点を数字で置いておく作業です。アラートは、置いた分岐点を自分の代わりに見張ってくれる仕組みになります。

剣道でいう 後の先 に近いのだと思います。こちらから仕掛けるのではなく、来たものに正確に反応する。ただ「待つ」を人間の集中力だけでやろうとすると、必ずどこかで切れます。道具に見張らせることで、待つことが現実的になる。

まとめ

アラートを付ける操作自体は、線を選んで A キーを押すだけです。ここには工夫の余地がほとんどありません。

効いてくるのは、どこに届かせるかを自分の生活に合わせて決めたときでした。既定のままだと、PC の前にいる時間しかカバーできない。そこに気づいて初めて、引いた線が「見ていない時間も働いてくれるもの」に変わります。

見逃さないというのは、集中力の問題ではなく設計の問題だと思っています。水平線を引く習慣がある方は、まず1本だけでいいので、A キーとプッシュ通知を試してみてください。


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