水平線にアラートを仕掛けると、「その価格に来た」ことが分かります。便利ですが、分かるのはそこまでです。
近づいてきたのか、離れていくのか。それは通知からは読み取れません。
ところが長方形で囲ったゾーンなら、話が変わります。辺が2つあるので、「どちらの辺を」「どちら向きに」通過したかまで言えるようになる。同じ「鳴った」でも、意味がまるで違ってきます。
今回は、ゾーンに仕掛けるアラートの話です(最新版 v1.09.1)。長方形の描き方そのものは別記事に書いたので、ここでは「描いたあと、どう見張らせるか」に絞ります。
8パターンの正体
通知の種類は8つありますが、覚えるものではありません。3つの軸の組み合わせでそうなるだけです。
| 軸 | 選択肢 |
|---|---|
| どちらの辺か | 上限 / 下限 |
| どちら向きか | 外から内へ(侵入)/ 内から外へ(脱出) |
| どう判定するか | タッチ(ヒゲ込み)/ ブレイク(確定足の終値) |
2 × 2 × 2 で 8。それだけのことです。
通知文にも、そのまま出ます。たとえば 149.800〜150.500 を囲ったゾーンなら、こう届きます。
USDJPY H1 Touch Rectangle Upper (Outside >> Inside) 150.500
USDJPY H1 Break Rectangle Lower (Inside >> Outside) 149.800
Upper か Lower で辺が、Outside >> Inside か Inside >> Outside で向きが、Touch か Break で判定のしかたが分かります。スマホに届いた通知を見るだけで、何が起きたか判断できる形にしてあります。
ただし、同時に有効なのは4つです
ここは先に書いておきます。
タッチで判定するかブレイクで判定するかは、チャート単位の設定です。長方形ごとに「この枠はタッチ、あの枠はブレイク」と分けることはできません。
つまり、実際に鳴るのは8つのうち半分の4つです。
「8パターン用意されている」というのは、選択肢が8つあるという意味であって、8種類の通知が同時に飛んでくるわけではありません。タッチを選べばタッチ側の4つ、ブレイクを選べばブレイク側の4つが有効になります。上限と下限、侵入と脱出の組み合わせは、どちらのモードでも変わりません。
どちらのモードを選ぶべきかは、それ自体で1本の記事になるので別途書きました。ゾーンの場合も判断の軸は同じです。ヒゲで触れた事実を拾いたいならタッチ、終値で確定させたいならブレイク。
色で、向きが分かる
アラートが発火すると、チャート上にその位置へ矢印マーカーが残ります。このマーカーは色で向きを区別しています。
- 水色(Aqua)= 外から内への侵入
- マゼンタ(Magenta)= 内から外への脱出
通知を見逃していても、あとからチャートを開けば、ゾーンに入ったのか出たのかが色で分かります。上限だったか下限だったかは、マーカーの位置そのものが教えてくれる。
地味な仕様ですが、週末にまとめて振り返るときには、この色分けがかなり効きます。
4つの通知を、どう読むか
ここが本題です。同じゾーンの通知でも、意味がはっきり分かれます。
| 通知 | 起きていること | 構え |
|---|---|---|
| 上限に外から接触 | 上から降りてきて、ゾーンに入った | 戻り売りの準備。まだ入らない |
| 上限を内から突破 | ゾーンを上に抜けた | 上放れ。方針の切り替え |
| 下限に外から接触 | 下から上がってきて、ゾーンに入った | 押し目買いの準備 |
| 下限を内から突破 | ゾーンを下に割った | 下放れ。損切りや方針転換 |
整理すると、こうなります。
侵入(外 → 内)は「準備してください」の合図。脱出(内 → 外)は「判断してください」の合図。
この2つを区別できることが、水平線との決定的な差だと思っています。線のアラートは「来た」としか言いません。来たのが準備段階なのか、決断の場面なのかは、自分でチャートを開いて確かめるしかない。
ゾーンなら、通知の文面を見た時点でそれが分かります。スマホを見て「ああ、まだ準備か」と判断して、そのまま仕事に戻れる。この差は、兼業でトレードしている人ほど大きいはずです。
使うときの注意点
同じ足の中では、1回しか鳴りません
発火の抑止は種別ごとに1つを共有しています。そのため、幅の狭いゾーンだと、1本の足で上限と下限の両方に触れていても、通知は先に成立した1回だけになります。
ボラティリティの高い場面や、短い時間足で薄いゾーンを置いているときには起こりえます。「出入りの全部を記録してくれる」わけではない、とだけ知っておいてください。
説明欄は使わないでおく
アラートのオン・オフは、そのオブジェクトの説明欄に文字列を書き込んで管理しています。説明欄に自分でメモを入れていると、A キーでの切り替えが効きません。水平線のときと同じ制限です。
囲む向きは気にしなくていい
長方形をどの角から描き始めても、上下・左右は内部で正しく並べ替えられます。右下から左上へ囲っても、上限は上限として判定されます。
備えを、道具に見張らせる
ゾーンを描いて、出入りを通知させる。この形は、師匠から繰り返し言われてきた未来を当てるのではなく、未来の分岐に備えるという姿勢に、わりとそのまま重なります。
「ここに来たら戻り売りを考える、ここを抜けたら方針を変える」。その分岐点を長方形として置いて、判定だけを道具に任せる。自分は分岐のあとの動き方を決めておけばいい。
剣道でいう 後の先 に近いのだと思います。こちらから仕掛けず、来たものに反応する。ただゾーンを使うと、その「来た」の中身が、線のときより一段細かくなります。来ただけなのか、抜けたのか。反応の種類を分けられるようになる。
まとめ
8パターンというと機能自慢のように聞こえますが、中身は単純です。ゾーンには辺が2つあり、通り抜ける向きが2つある。判定のしかたが2つある。掛け合わせれば8になる、というだけのことです。
線では「触れた」しか言えません。ゾーンなら「入った」のか「出た」のかまで言えます。
増える情報は1つだけですが、その1つが準備と判断を分けます。レンジを相手にすることが多い方は、まず1つゾーンを囲って、A キーを押してみてください。
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